
インタビューにご協力いただいた方

貴社が展開する事業の特徴を教えてください。
西野:グランビスタ ホテル&リゾートでは、「インターゲートホテルズ」ブランドをはじめとする様々な宿泊施設、鴨川シーワールド・神戸須磨シーワールドなどの水族館やゴルフ場などのレジャー施設、ハイウエイレストランの運営など、業種の枠を超えた多彩な事業を全国で展開しています。
その中で私たち白良荘グランドホテルは、昭和天皇とのご縁が深い和歌山県の白浜温泉に位置する1929年創業の老舗リゾートホテルです。目の前には白砂が美しい白良浜が広がり、全室がオーシャンビュー。日本三古湯のひとつである白浜温泉の自家源泉を引いた大浴場では、太平洋の絶景を眺めながら湯浴みを楽しんでいただけます。
料理は地元の海の幸・山の幸を使った会席料理をご提供しており、四季折々の味を楽しめるのも魅力です。観光地としてもアドベンチャーワールドや円月島にアクセスしやすく、観光拠点としてもご利用いただいています。昨年11月には95周年を迎え、長年にわたり白良浜の目の前で歴史を紡いできました。
貴社でのPayn導入状況をお聞かせください。
西野:2023年9月頃から、グループ内の一部施設でPaynのテスト導入が始まりました。その後、順次導入施設を増やしていき、現在ではグランビスタグループ内の全宿泊施設でPaynを活用しています。当館では2024年7月から導入しました。
運用開始から1ヶ月ほどで懸念が解消されていきました。

初めてPaynを知った際の印象はいかがでしたか?
西野:それまでキャンセル料の請求は基本的に電話で行っていたため、非常にストレスのかかる作業でした。Paynを初めて知ったときは「これは良いサービスだ、ぜひ導入したい」と感じる一方で、「本当に支払ってもらえるのか、お客様から苦情が来るのではないか」という不安もありました。
支配人は前向きでしたが、館内キャストの間では、お客様に直接電話で伝えることなく請求することへの懸念があり、「一度連絡を入れてから送るべきではないか」といった議論もありました。ところが、実際に運用を始めてみると、ネガティブな反応はほとんどなく、事前の電話も必要ありませんでした。運用開始から1ヶ月ほどでその懸念も解消されていきました。
Payn導入時には、どんなプロセスで社内に浸透させていきましたか?また、これまで貴施設において、キャンセル料の請求と回収はどんな状態でしたか?
西野:導入時には、部署内で従来からあったキャンセルポリシーに基づく運用ルールをPaynへ転換する使い方を丁寧に共有しました。最初は不安もありましたが、いざ運用してみるとスムーズに支払いが行われ、今では問題なく請求業務をこなせています。
以前は、何度もお客様へ電話をかけ、つながったらそこから電話での交渉後、請求書依頼書の作成、承認、システム上で売上を立てる、などの社内手続きがありました。それらを経てからの請求書作成、郵送やメール添付で送付となります。売上を立てている以上、未払いのまま置いておくこともできず、お支払いがなければ督促の作業もしなければならないので、ようやく回収に至るまでには膨大な手間がかかっていました。未収処理の負担も大きく、業務効率の面でも課題がありました。
その課題はPaynを導入したことでどのように変わりましたか?
西野:Payn導入によってこれらの工程が不要になり、先ず業務効率が大幅に改善しました。
加えて、回収率が劇的に向上し、今では請求したほとんどが回収できています。交渉のストレスや業務負荷も減り「キャンセル料を免除した方が楽」という判断をする必要が根本的になくなりましたし、何より請求に関わるキャストの心理的なストレスが大幅に軽減されたと感じています。
物理的に来られない事と、「なんとなく心配だからキャンセル」という事は、全く異なるもので、これらを混同して判断してはいけない。

貴施設は台風などの自然災害発生時にもしっかりとしたスタンスでキャンセル料の請求をされていますが、請求可否についてどのような整理と判断をしていらっしゃいますか?
西野:ご連絡をいただいた時点でお客様の出発地と当館までの道のりで、公共交通機関に運休情報が発表されているなどして交通が寸断されていれば、物理的にお越しいただくことが不可能と考え、キャンセル料は基本的に免除しています。一方で、利用日前の予測段階では状況が変わる可能性が多分にあるため、「心配だからキャンセルしたい」という場合にはキャンセルポリシーに基づき、ルール通りキャンセル料を請求させていただいています。
以前までは判断が属人的になっていた部分もあり、対応に一貫性を欠くこともあったため、コロナ禍以降にキャンセルへの対応を再整理し明確な基準を設けることで、人によって判断が異なるなどの状況が発生しないように公平性と信頼性を保っています。
ただし、基本スタンスとしては台風がきていたとしても「宿側は通常通り運営しており、契約通りサービス提供の準備を整えている」という前提のもと、お支払いいただくのが当然という姿勢を崩さず、丁寧に説明することを心がけています。同じ台風が起点のキャンセルであっても物理的に来られない事と、「なんとなく心配だからキャンセル」という事は、全く異なるもので、これらを混同して判断してはいけない。これは決して特別な対応ではなく、ごく自然な商習慣だと考えています。
ホテル業界が今置かれている現状に対して、キャンセル料の請求と回収が当たり前になることは、どんな効果を生むと考えられますか?
西野:他業種、特に航空業界などでは直前キャンセルやノーショーはキャンセル料が発生するのは当然という認識がありますが、ホテル業界には「何か言えば免除してもらえるのでは」という風潮が残っています。しかしながら、本来は予約成立時点で宿側は約束された内容のサービスを提供する義務があるのと同じレベルで、お客様側にもお客様都合での直前キャンセルやノーショーについてはキャンセル料の支払いの義務が発生するものです。
こうした認識のズレが摩擦を生んでいると思います。キャンセル料の請求と支払いが当たり前になることで、その摩擦が減り、業界全体の健全な運営につながるはずです。経営が安定すれば、働くキャストへの還元やサービス品質の向上にもつながります。今後は、Paynを通じて得られた成果をどのように社内外に還元していくか、具体的に検討していきたいと考えています。
最後に、Paynの導入を検討している事業者へのメッセージをお願いします。
西野:実際に導入して、本当によかったと思っています。圧倒的に業務負荷が軽減され、以前よりも回収率も向上しました。忙しい合間を縫って電話などで追いかける作業も不要になり、効率が一気に高まりました。
これまで存在しなかった新たな利益が生まれており、Paynの導入は経営層だけでなく、現場キャストにとっても非常に大きなメリットがあります。導入を迷っている方には、迷わず取り入れてみてほしいですね。

