
インタビューにご協力いただいた方

貴社が展開する事業の特徴を教えてください。
久場:当社は沖縄県名護市に本社を構え、自然豊かな北部地域「やんばる」を中心にリゾート事業を展開するホテルグループです。沖縄の言葉で「真心」を意味する「ちむぐくる」のおもてなしを理念に掲げ、1986年のホテル事業開始以来、地域に深く根ざした運営を行っています。
現在は、全室オーシャンビューの開放的な客室を持つ「ホテルマハイナ ウェルネスリゾートオキナワ」、全室スイートタイプの「アラマハイナ コンドホテル」、そしてビジネスや観光の拠点として親しまれる「ホテルゆがふいんおきなわ」などはじめ、多様なニーズに応える個性豊かな5つのホテルと「オキナワ ハナサキマルシェ」と言う商業施設を運営しています。 美しい海や世界自然遺産であるやんばるの森など、沖縄本来の魅力を最大限に体感できる滞在を提供し、「第二の我が家」として選ばれるホテルを目指し続けています。
また、人事面では「ちむぐくる」の精神をお客様だけでなく、従業員に向けても発揮していきたいという思いから、顧客満足度だけでなく、従業員満足度も最大限高めるためにテクノロジーを積極的に取り入れ、DXに取り組んでいます。目指しているのは「誰も置き去りにしないDX」です。ITリテラシーに不安があるスタッフでも対応できる仕組みを整え、一人一人が本来持っている「ちむぐくる」を存分に発揮できる環境を作っていきたいと考えています。人材に関しても、県内外からの採用はもちろん、人手不足とインバウンドゲストへの対応として外国人の従業員も積極的に受け入れています。
瑞慶覧:また、地元の子供達に向けた職業体験などの社会貢献活動や、県内初となるハラール認定の取得など、会長や社長といったトップが率先して新しい取り組みを行っているのもあって、末端の社員一人一人まで、地元沖縄の観光産業を牽引していくということにプライドを持っているのも特徴だと思います。
貴社でのPayn導入状況をお聞かせください。
久場:2023年の10月から導入しておりますので、現在ですでに2年以上活用させていただいています。
初めてPaynを知った際の印象はいかがでしたか?
久場:最初に知ったのは、ある展示会でPaynのブースを見つけ、訪問したのがきっかけでした。当時はちょうど翌年の予算組みの時期で、どうやって売り上げを伸ばしていくかそのヒントを模索していたんです。正直、最初は半信半疑でした。しかし話を聞いていく中で、「実際にこれが社内に浸透すれば、これまでホテルが泣き寝入りしていたキャンセル料がそのまま利益に変わる。これは良いかもしれない」と可能性を感じました。また、Paynの前身であるCansell(キャンセル)という会社のユニークなビジネスモデルを個人的に興味を持って知っていたこともあり、Paynに対しても自然と興味が湧いたのが始まりでした。
瑞慶覧:私は導入直後から実務に携わっていましたが、当時は「キャンセル料が回収できるのはもちろん良いことだけど、今以上に業務負担が増えたらどうしよう」という不安が大きかったのを覚えています。しかし、実際に触ってみると驚くほど操作はシンプルで、全く負担になりませんでした。「こんなに簡単にできてしまって良いのか?」というのが率直な感想でしたね。
Payn導入時には、どんなプロセスで社内に浸透させていきましたか?
久場: 基本的には各ホテルに予約課があり、その部署が請求業務を担当しています。導入当初は、まず瑞慶覧がPaynの方から簡単なレクチャーを受け、請求から回収までの流れを一人で全店舗分担当し、Paynの使い方をマスターしました。その後、彼が各店舗のスタッフへ伝授していく形を取りました。システムがシンプルなので、各店舗のスタッフも一度覚えればすぐにマスターしてくれます。そして、覚えたスタッフがまた別の新しいスタッフに教えていくという流れで、スムーズに浸透していきました。
なぜか長年持っていた罪悪感のようなものが、良い意味で消えました。

もともと、貴社のキャンセル料の請求と回収はどんな状態でしたか?
瑞慶覧:当社では、チェックイン日の1週間前からキャンセル料が発生するというポリシーを定めていました。 もしノーショーなどが発生した場合、予約課が対象のお客様へ電話などで連絡を入れます。そこで支払いの合意が取れればフロントへ引き継ぎ、システム上で売上を立て、それを元に経理が請求書を郵送していました。その後、予約課がこまめに入金チェックを行い、入金がなければ再度電話で督促をし、滞りがあれば経理からも確認が入る、という非常に煩雑なフローでした。
それ以外の、連絡がつかないノーショーや通常の直前キャンセルの対応については、膨大な手作業が必要となります。正直なところ時間と労力を天秤にかけると「それなら次の通常業務に入った方が良い」という判断になり、追えないのが当たり前になっていました。
久場:当時、私自身はOTA担当で集客を行っていましたが、現地決済予約のノーショーやキャンセルに関しては「申し訳ない」としか言いようがありませんでした。ただでさえ日々の業務が忙しい現場スタッフに、さらにキャンセル料の回収まで追わせるのはあまりに酷です。費用対効果を考えると、暗黙の了解で「追わない」ことになってしまっていましたね。
その課題はPaynを導入したことでどのように変わりましたか?
瑞慶覧:まず一番の変化は、これまで回収を断念していたキャンセル料を、簡単な操作で請求・回収できるようになったことです。これまで丸々諦めていたお金が、しっかりと入ってくるようになりました。 2つ目は、請求にかかっていた手作業がほぼ消滅し、現場スタッフが本来のお客様対応などの業務に専念できるようになったこと。そして3つ目として、スタッフの意識が大きく変わったことが挙げられます。
以前は、請求行為自体に多くの手間がかかるため単純に仕事が増えるというネガティブな側面がありました。さらにルールが曖昧だったため、キャンセル料の話になると心理的な負担や罪悪感があり、どうしてもお客様に言いづらいという状況が常にあったのです。
また、以前は明らかにお客様側に非がある状況でも「キャンセルしたつもりだった」「予約確認メールが来なかった」と言われ泣き寝入りせざるを得ないことが多かったのですが、明確化されたルールに基づき、今は自信を持ってスムーズに「キャンセル料の請求を送らせていただきますね」という案内ができるようになりました。それが当たり前になったおかげか、導入1年目と比べて回収率も向上していますし、理不尽な理由で支払いを逃れようとするケースの絶対数も確実に減りました。当初心配していたようなクレームや弊害も起きていません。
予約課に全ての情報を集中させ、請求オペレーションを集約させたのが良かったのだと思います。「普通にするべきことが普通にできるようになった」。当たり前のことですが、これこそが本来あるべき姿だと実感しています。
久場:瑞慶覧が言うように、本来は正当にいただく権利があるキャンセル料であるにもかかわらず、なぜか長年持っていた罪悪感のようなものが、良い意味で消えました。事業者が「ルールはルール」として明確なスタンスを持ち、しっかりと対応すれば、それはお客様にもちゃんと伝わり、当たり前に支払っていただけるようになるのだと実感しています。
今後はまだ店舗間でオペレーションや温度感が統一されていない部分が一部あるので、その意識統一をしていくのが課題ですが、私が2年前にPaynを初めて知った時に思い描いていた「会社としての売上の補填」と「現場の意識向上」、その両方が同時に進んでいると感じています。
キャンセル料をしっかり回収し損失を最小限に抑えることは、リカバリー策として有効であり、結果としてフォーキャストの精度向上に直結します。

沖縄は台風などの自然条件に左右されやすいため、キャンセル問題は常に大きな課題であると考えられますが、貴社含め沖縄のホテルマーケットが今置かれている現状に対して、キャンセル料の請求と回収が当たり前になることは、どんな効果を生むと考えられますか?
久場: 沖縄は毎年台風によるダメージを受けるため、業績予測(フォーキャスト)はブレるのが前提です。経営上重要なのは、そのブレをいかに少なくできるかという点です。台風の発生や動きを正確に予測することは不可能なので、あえて予算には入れず、もしダメージが発生したらどうリカバリーしていくかを考える必要があります。
その点において、キャンセル料をしっかり回収し損失を最小限に抑えることは、リカバリー策として有効であり、結果としてフォーキャストの精度向上に直結します。また、夏季のハイシーズンや連休など、高需要の日程はどうしても「とりあえず予約」が多くなりがちですが、キャンセルポリシーを明示し、ルール通りに請求・運用することで、そういったものも減少し予約の精度も上がります。本当に来てくださるお客様に予約していただける環境が整うのです。結果として経営も安定し、事業者にとってもお客様にとっても、より健全で良いマーケットへと進化していくと思います。
瑞慶覧:台風などの自然現象は避けられませんし、航空便の欠航などで物理的に到着できない場合は、当然キャンセル料をいただくことはありません。 しかし「なんとなく天気が悪そうだから」「台風が来そうだから」といった曖昧な理由でのキャンセルも多く、現地ではご予約通りのサービスを用意して待っているにもかかわらず、無責任なキャンセルが発生しやすいマーケットであるのも事実です。
そうした、本来キャンセル料の免除条件には当てはまらない無責任なキャンセルに対して、労力をかけずに確実に請求を行えるようになったことは非常に大きいです。 損害を補填しキャッシュフローが安定すれば、施設や人材など、持続的なリゾート運営に欠かせない部分への投資が可能になります。 目的は単なる利益確保ではなく、「沖縄体験」を生み出すための投資力強化です。沖縄全体がより高品質な体験を提供できるようになれば、ハワイやアジアのビーチリゾートが相手でも、沖縄の魅力が勝り選んでいただけるような競争力が育つと信じています。
最後に、Paynの導入を検討している事業者へのメッセージをお願いします。
久場:一昔前は、キャンセル料に関して「航空会社は取るけど、ホテルは取らない」というのが通例で、それが正しいおもてなし精神であり「取ることは悪」という雰囲気すらありました。昨今になってやっと「約束は守るべきもの」という流れが少しずつできてきました。しかしまだまだ定着には至っていません。
これは一社だけがやれば良いことではなく、沖縄の事業者一丸となって取り組んでいくべき大きなテーマです。これまでのように、キャンセル料を踏み倒されても泣き寝入りし、一方的に損害を被るような環境のままでは、サステナブルな発展は望めません。未来のホスピタリティ業界で働く若者たちが、安心して働ける環境を作ることもできないでしょう。
何十年も解決されず取り残されてきたこのキャンセル問題を解決していくために、ぜひPaynには頑張ってもらいたいですね。
瑞慶覧:キャンセル料の請求は、以前の私もそうでしたが、お客様との摩擦を恐れて一歩踏み出せない人が多いと思います。しかし、Paynを使えば請求業務はほぼ自動化できます。ルールをしっかりと定めれば公平かつ正当に請求ができ、従業員も当たり前に堂々と案内できるようになるため、現場のメンタル維持にもつながります。その変化を、我々は目の前で見てきました。ビジネスの価値をしっかり守るために、ぜひPaynを使って欲しいと思います。


