
インタビューにご協力いただいた方

貴社が展開する事業の特徴を教えてください。
山田:株式会社サングは「世界の“食”のシーンを、エキサイティングにする」ことをビジョンに掲げ、2011年4月に1店舗目の「焼肉うしごろ」西麻布本店を開業しました。以降、開業2年でミシュランの一つ星を獲得した肉割烹「上(じょう)」や、ファミリーや若者にもご利用いただきやすい「うしごろバンビーナ」など、高級業態からカジュアル業態まで複数のブランドを展開しています。
また、私たちは食材の品質や安全性に徹底的にこだわり、独自のアレンジを加えた本物の美味しさを提供することを重視しています。心を尽くしたおもてなしや心地よい空間の演出にも力を入れ、顧客に新しい発見や感動を提供し続けられるように心がけています。
2025年は大阪のうめきた再開発で「焼肉うしごろ」を関西初出店しますので、新たにその店長となる上田を中心にその準備を進めつつ、今後海外へも日本の素晴らしい和牛や焼肉文化を広げて行きたいと考えています。
貴社でのPayn導入状況をお聞かせください。
山田:現在、「焼肉うしごろ」「うしごろS」「上」などの高級業態でまずはPaynを導入しており、今後はカジュアル業態の「うしごろバンビーナ」などでも順次導入を開始しているところです。
初めてPaynを知った際の印象はいかがでしたか?
上田:率直に言うと、驚きと不安が入り混じった印象でした。良い部分もある一方で、「本当にうまく運用できるのか?」という懸念もありました。業界的にキャンセル料を請求しないのが当たり前という雰囲気があったので、大きな変化をもたらすことに対する期待と不安がありました。
山田: 私もこれまでの経験から固定概念として「キャンセル料は取れないもの」と思っていたので、「本当に回収できるのか?」「顧客からどのような反応があるのか?」という疑問を抱きました。
当初はイメージがつきにくかったですが、実際のPaynの管理画面を見せていただき、どのように請求し回収されるのかの一連をご説明いただいた後には「これはすぐに試してみたい」と思い、上席に提案しに行ったのを覚えています。
請求を行った後、再来店につながったケース

貴社ではPaynを使って実際にキャンセル料請求をされているのは、本部または現場のどういった役割の方ですか?また、なぜその方が担当されることに決まったのでしょうか?
山田: 店舗の責任者である店長が請求を行っています。その理由は、キャンセル料の請求は、絶対に単なる「作業」にするべきではではないと考えているからです。私たちは1件ずつしっかりとお客様のご事情やキャンセル理由を考えた上でご請求をさせていただいています。本部では現場とお客様の関係性や温度感が若干見えにくく、現場でもアルバイトでは単なる作業と化してしまう恐れがあります。
そのため、必ず責任のある立場の者が対応するべきだと判断しました。
上田: 実際に請求を行った後、再来店につながったケースもあります。池袋店では、ご予約を忘れていたお客様が数日後にPaynでの請求を受けてそのことを初めて思い出され、すぐに電話をかけてこられました。その際は「失礼なことをして大変申し訳ない」と心からのお詫びをくださった上に、後日再来店の際は菓子折りを持っていらっしゃいました。そのお客様は最終的にお食事をお楽しみいただくことができました。もし請求をしていなければ、こうしたお客様とのやり取りや再来店はなかったと思います。
キャンセル料の請求自体は元々されていましたか?また、その背景にどんな課題がありましたか?
山田: 以前はキャンセル料を請求していませんでした。その理由として、予約の経路が電話やオンライン予約サイト、公式サイトと多岐にわたり、特に外部の予約サイト経由の予約では手間を考えると請求のしようがなかったことが挙げられます。また、公式サイトで事前にクレジットカードの与信枠を確保していたとしても、請求を実際に行うという文化がなく、慣習として見過ごされていました。
その課題はPaynを導入したことでどのように変わりましたか?
山田:Paynの導入により、まずキャンセルポリシーを事前にしっかりと明示し、その上で請求するというふうに意識が変わりました。今では与信枠確保についても、確保するだけでなく、実際に請求を行うようにもなりました。
また、電話でのキャンセルポリシー案内も強化したことで、直前にキャンセルするお客様が減り、結果としてキャンセル発生自体が抑制される効果も感じています。それに伴ってキャンセル料の請求は、社内で慎重に議論した結果、今では文化として定着し始めています。
高級焼肉チェーンとして、精肉という鮮度が命の食材を扱われていますが、キャンセル問題は貴社のビジネスにどんな影響を及ぼしますか?
上田: 当社ではサービスの質を重視し、人件費に大きく投資しています。そのため、ノーショーが発生すると人件費が無駄になってしまいます。また、当店では高鮮度の食材を仕入れており、使用されなかった場合のロスが大きな課題となります。高級肉は加工して別の用途に回すことが難しく、最終的に賄いにすることもあるのでフードロスにはなりませんが、それでも当然ビジネス的には100%のロスになってしまいます。
変化を恐れず行動すれば、それが業界の常識として広がるはず

キャンセル被害がありつつも、顧客離れや悪評を生むかもしれないという懸念からキャンセル請求に懐疑的な声もありますが、貴社では実際どうでしょうか?
上田:確かに最初は顧客の反応が気になり、不安がありました。しかし、実際に運用を始めてみると、キャンセル料の請求を一方的に行うのではなく、お客様に寄り添った形で対応することで、お支払いにつながることがわかりました。想定よりも問い合わせ自体が少なく、かつネガティブな連絡もほぼないので問題にはなっていません。
山田:私もネガティブな口コミが書かれるのではないかと心配していましたが、導入後はそうした心配は全く杞憂に終わりました。
Paynの今後のサービス展開に期待することはありますか?
山田: すでに充分なサービスを提供してもらっているので言うことはありませんが、強いて言うなら、今後さらなる支払い手段の拡充と回収率の向上を期待しています。
上田: 私も同様不満などはありません。今後、さらに台帳システムと連携が進むことに期待しています。
チェーンの飲食店が今置かれている現状に対して、キャンセル料の請求と回収が当たり前になることは、どんな効果を生むと考えられますか?
上田: 予約に対する責任が生まれ、不当なダメージや食材ロスが減ることで、より健全な飲食業界が実現できると考えています。支払われたキャンセル料が、未来のお客様に還元されるような循環が生まれることが理想です。
山田: キャンセルが発生するのは避けられませんが、事前にキャンセルの連絡をするという文化が根付けば、予約の在り方がより健全なものになっていくと思います。予約キャンセルが発生しても、空いた席を再販できる仕組みが整えば、売上への悪影響も抑えられます。
最後に、Paynの導入を検討している事業者へのメッセージをお願いします。
山田:一年前の自分に声をかけるとしたら「不安もあるかもしれないがまずは導入しましょう」と言いたいです。先ずは一歩踏み出してみることが大切です。導入時には驚きや不安があるかもしれませんが、変化を恐れず行動すれば、それが業界の常識として広がるはずです。
上田:当初の不安は杞憂に終わりました。シンプルに言うと、Paynを導入して本当によかったです。


